前回の記事に書いたPavilion dm3aにUbuntuをインストールするため、ハードディスクをSSDに換装してみました。
Ubuntuをノートパソコンにインストールする場合、いつもはWindowsとデュアルブートにしますが、今回はハードディスクの換装がやりやすそうだったのでデュアルブートでなく、入手しやすくなったSSDに換装したうえでUbuntuのインストールを行います。
なお、dm3シリーズはインテル製CPUを搭載するものはdm3i、AMD製CPUを搭載するものはdm3aと表記するようなので前記事では単に「dm3」としていましたが本記事以降ではdm3aと表記を変更します。
今回はSSDに換装
ノートパソコンのハードディスクドライブの換装は、ドライブにアクセスできる方法が用意されていないとかなり面倒なことになります。Pavilion dm3aの場合は底面にふたがあり、ドライブ交換が簡単そうです。以前からUbuntuをSSDで使用したかった事もあり、最近値段も下がって買いやすくなったSSDを一緒に購入してしまいました。
Windowsのインストールで固まる
換装前に動作確認を行うため、プレインストールのWindows7をハードディスクにインストールします。この過程でなぜか、準備中のままインストールが進まなくなる現象に遭遇しました。ちょっと焦りましたが、たまたまUSBで接続していたDVDドライブにブータブルのUbuntuのディスクが入っていた事が原因のようでディスクを抜き、再度インストールをやり直すと今度はすんなりインストールできました。その後、Windows7で簡単な動作確認を行い、特に問題も無さそうだったのでいよいよSSDに換装します。
標準搭載のハードディスクをSSDに換装する
標準搭載のハードディスクドライバを外してSSDに換装します。換装するSSDドライブはインテルのX25-Mシリーズのうち、80GByte品を購入しました(品番SSDSA2MH080G2R5)。インテルにはX25-Eシリーズという高性能版もありますが、まだまだ価格が高く、消費電力も大きいため今回はローコスト版のX25-Mをチョイスしました。ただ、このSSDを組み込むパソコンはメインマシンではないので80GByteは欲張りすぎだったかも。40GByte品で十分だったと反省しています。ちなみにUbuntuと標準アプリを入れてもディスクの使用容量は3GByte程度です。
SSD換装の手順
Pavilion dm3aのハードディスク換装は底面にあるふたを外すだけなのでとてもお手軽です。ただ、ふたやドライブの金具類を固定するネジは非常に小さいため、取扱いには注意が必要です。また、各ネジには緩み防止のネジロックが施されているので、始めて外す場合は少し固いので頭を舐めないように適切なサイズのドライバを使用しましょう。もちろん換装するとメーカー保証が摘要されなくなる可能性があります。実施の場合は自己責任でお願いします。
換装作業の手順は以下のとおりになります。
- 底面のふたのネジを緩め、ふたを外す。(このネジはふたから外れない様になっている)
- ハードディスクドライブの固定金具のネジを外す。
- ハードディスクドライブをスライドさせて、コネクタを外す。
- ハードディスクドライブを持ち上げて、取り出す。
- 固定金具のネジを緩めて、ハードディスクドライブから金具を外す。(この時金具の取り付け方向を良く見ておく)
- SSDドライブに先ほど外した固定金具を取り付ける。
- SSDドライブをハードディスクドライブのあった場所に戻す。
- SSDドライブをスライドさせ、コネクタに接続する。
- 固定金具を本体にネジ止めする。
- 底面のふたを取り付け、ネジ止めする。
作業中の写真です。下の写真では底面のふたを両方外していますが、ハードディスクを換装する場合は片側だけでOKです。
▽裏面です。内部にアクセスするためのふたが二つあります。
▽写真の左側がハードディスクとBluethtoothアダプタです。右側はメモリスロットと無線LANアダプタです。
▽インテルのSSDと同梱の内容物一式。写真右下がSSD本体です。
▽搭載されているハードディスク、固定用ネジは既に外した状態で撮影しています。
▽コネクタを抜くため、ハードディスクをスライドさせています。
▽SSDに交換しました。手前は取り外したハードディスクドライブです。
SSD換装後の起動時間はかなり早い
Pavilion dm3aにUbuntu9.10をインストールして起動時間を計測してみました。本当は同じマシンでハードディスクとSSDを比べたかったのですが、時間もないことからSSDを換装後のデータのみです。CPUは異なりますが、動作クロックは同じ1.6GHzのAspireONEの起動時間も計測しておきました。
Pavilion dm3a(SSD換装済み)
電源スイッチ、オンからログオン表示まで 約18秒
ログオン後、シャットダウン操作から電源オフまで 約6秒
AspireONE(純正ハードディスク)
電源スイッチ、オンからログオン表示まで 約45秒
ログオン後、シャットダウン操作から電源オフまで 約7秒
SSDに換装したPavilion dm3aはハードディスクを使用しているAspireONEに比べて半分以下の時間で起動できています。さすがに10秒台になると起動時の待ち時間はほぼ気にならないレベルになりました。OSの起動だけでなくアプリケーションもスッと起動するし、消費電力も少ないはずなのでバッテリの持ちも良くなりそうです。ということで、これはなかなか癖になりそうです。後は容量、信頼性、コストがハードディスク並になれば言うこと無しです。
できればAspireONEもSSDに換装したいところですが、AspireONEの換装は全分解に近いのでかなり大変そうです。なお、AspireONE+Ubuntu9.10は今回始めて測ったのですが、Ubuntu9.04のときは約32秒だったのでちょっと遅くなっています。
もう少しするとリリースされるUbuntu10.04は更に起動時間が高速化されるらしいので10.04が楽しみです。